画像・フォント素材のライセンスを確認して使う

アプリやサイトを作ると、アイコン、写真、イラスト、フォントなど、自分で作っていない素材を必ず使うことになります。「無料」と書かれたサイトからダウンロードした素材でも、無料であることと自由に使えることは別の話です。

この記事では、個人開発者が素材を使う前に確認すべきこと、代表的なライセンスの読み方、記録の残し方を整理します。

この記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に対する法的助言ではありません。判断に迷う素材は、配布元の利用条件の原文を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

「無料」と「自由に使える」は別物

写真もイラストもフォントも、作った人に著作権があるのが出発点です。文化庁の案内のとおり、著作物を利用するには原則として権利者の許諾が必要で、「ダウンロードできる状態で公開されている」ことは許諾ではありません。

無料素材サイトの素材が使えるのは、配布元が利用条件(ライセンス)を定めて、その範囲での利用をあらかじめ許諾しているからです。つまり確認すべきものは常に一つ、その素材の利用条件の原文です。

  • 「フリー素材」の「フリー」が無料の意味か、自由の意味かはサイトごとに違います

  • まとめサイトやSNSの「この素材は商用可」という紹介は根拠になりません。配布元の条件だけを根拠にします

確認する4つの観点

利用条件を読むときは、次の4点を確認します。

  1. 商用利用:収益化するサービス、広告のあるサイトで使えるか。個人開発でも、販売や広告があれば商用利用に当たるのが普通です

  2. クレジット表記:作者名や出典の表示が必要か。必要な場合、どこにどう書くかが指定されているか

  3. 改変:色を変える、切り抜く、加工することが許されているか

  4. 再配布・組み込みの範囲:アプリに同梱して配布してよいか。ロゴとしての利用や商標登録が禁止されていないか

このほか、人物写真では被写体の肖像権やモデルリリースの有無、他社製品やキャラクターが写り込んだ素材にも注意が必要です。

代表的なライセンスの型を知る

条件の書き方には広く使われる型があり、型を知っていると読むのが速くなります。

  • クリエイティブ・コモンズ(CC):CC BY(表示が条件)、CC BY-SA(同じ条件で共有)、CC BY-NC(非商用のみ)などの組み合わせでできています。NCが付いた素材は収益のあるサービスでは使えません。CC0は権利放棄の宣言で、最も制約が少ない型です

  • フォントのライセンス:Google Fontsで配布されるフォントの多くはSIL Open Font Licenseなどのオープンなライセンスで、ウェブや商用プロダクトで利用できます。ただしフォントファイル自体を単体で販売することはできません

  • 素材サイト独自の規約:サイトごとに独自条件を定めている場合が最も多い型です。独自規約は必ず原文を読み、禁止事項の一覧を確認します

コードのライブラリにもMITやGPLなどのライセンスがあり、考え方は同じです。パッケージを追加するときは、そのライセンスが自分の配布形態で使えるものかを確認します。

使った素材を記録する

素材の出所を記録していないと、後から条件を確認できなくなります。使うたびに一行で記録します。

素材名 / 配布元URL / ライセンス名 / 表記義務の有無 / 取得日

この記録があると、次のときに困りません。

  • クレジット表記のページを作るとき

  • 素材の規約が変わったとき、どの素材が影響を受けるか調べるとき

  • サービスを収益化して、非商用限定の素材を差し替える必要が出たとき

AIで生成した画像を使う場合も、生成サービスの利用規約に商用利用や権利の帰属についての定めがあるため、同じように条件と取得日を記録します。

迷ったら避けるが基本

出所の分からない素材、条件の読み取れない素材は、どれだけ見栄えが良くても使わないのが安全です。検索結果の画像をそのまま保存して使うことは、条件を確認しようがないため避けます。

配色やレイアウトの工夫で素材への依存を減らす方法は配色と文字の最小ルールで画面を整えるで扱っています。

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自分のサービス側の約束事は個人開発の利用規約を準備するで整理できます。公開前の権利関係の総点検は個人開発を公開する前のチェックリストに含めてください。

参考資料